中央自動車道の諏訪南ICで下り、「メルヘン街道」を上っていくと、落葉した木々の間に、まさにメルヘンを絵に描いたような洋館が見えてきます。「オーベルジュ・エスポワール」です。

オーナーシェフの藤木徳彦さんは、日本におけるジビエ料理の先駆者の一人です。害獣として駆除された動物を「食」に生かせないかと、いち早く立ち上がり、現在も日本ジビエ振興協議会の代表理事として、ジビエの活用法を指導するため全国を飛び回っていらっしゃいます。

もともと、オーベルジュの敷地はご両親が別荘地として購入されたものだそうです。お父様の健一さんは、82歳になられますが、アパレル業界にお勤めだっただけにスーツの着こなしもお見事です。ほぼ毎日レストランに立ち、奥様の静江さんとゲストのお相手をなさっています。
そして、ソムリエでメートル・ド・テルの野村秀也さんも、この店の「顔」とも言える存在。優しい笑顔で迎えてくださいます。
ここは家族のような温かい空気が流れるオーベルジュ・レストランです。

 開業は1998年。藤木シェフはフランスの田舎町にあるレストランをイメージして、この店を作られたそうで、地下にはワインカーヴを設え、日本では珍しいシガールームも備えています。
そして、宿泊される方のゲストルームが2部屋。蓼科高原の澄んだ空気の中で、ゆっくり休むことができます。

広々としたホール。木漏れ日や季節の彩りが降り注ぐようなサンルームやテラスでの食事は、料理の味をさらに引き立ててくれるでしょう。

 藤木シェフは東京生まれの53歳。農林水産省認定「地産地消の仕事人」でもあります。春は山菜、夏は高原野菜、秋には茸を採り、冬はジビエ。藤木さんの料理は、八ヶ岳山麓の自然の賜物といってもいいでしょう。
「地産地消の仕事人」とは、言い得て妙。藤木シェフは、たくさんの生産者を訪ね、その秀でた産物によって、私達も美味しい料理がいただけるのです。

そんな素材を生かした藤木シェフの冬メニューからご紹介しましょう。

藤木シェフとご両親を中心とした居心地の好いオーベルジュ。四季折々の蓼科の自然と料理、おもてなしが待っています。

住所 長野県茅野市北山5513-142
店名 オーベルジュ・エスポワール
https://www.auberge-espoir.com
電話 0266-67-4250
アクセス 中央自動車道 諏訪南ICから車で30分程度。

取材・撮影 奥谷仁