富山市北部に位置する 東岩瀬 は、かつて北前船の重要な寄港地として大いに繁栄しました。旧北国街道(大町通り)沿いには、往時を偲ぶ北前船主・廻船問屋の屋敷が連なり、歴史や文化を学ぶ旅の目的地にもなっています。
富山県在住の写真家・高野裕輔さんが、東岩瀬の「今」を取材しました。
では、どうして、東岩瀬にこれだけの町並みが残っているのでしょうか。
個人の所有物である建物を揃って保持し続けることには大きな困難が伴います。この町も時代とともに土地を離れる人や代替わりで人口が減り、徐々に活気が失われていったそうです。
このままでは、歴史ある町が廃れてしまうと、保存と活用に動きだされたのが、銘酒「満寿泉」で知られる「桝田酒造店」5代目当主・桝田隆一郎さんです。はじめは1998年頃、元材木商の建物を購入し、改修。蕎麦屋として再生しました。以後、取り壊されようとしている建物があると聞けば、購入・改修を繰り返し、自治体も、電線の地中化工事を行い、この奇跡のような「町づくり」の基礎が整ったのです。
あとは、改修した建物をどう活かすか。
桝田さんは、古い土蔵をリノベーションし、創作の場を求めるアーティストにアトリエを。料理人には、店舗を提供しました。日本料理、フランス料理、イタリア料理、鮨や居酒屋、蕎麦店など、高い技術を持ったシェフ・料理人が次々、東岩瀬に集まってきました。
脂の乗ったブリを、大皿に盛付け、出汁にさっとくぐらせていただく「ブリしゃぶ」。「御料理 ふじ居」さんの、華やかさと繊細さを併せ持つ「ブリしゃぶ」は格別です。
北前船がもたらした繁栄。その歴史の重みを感じながら、この地で生まれた食文化を現代に生かす名料理人。まさに、訪れてみなければ味わえない旅のロマンです。
富山市東岩瀬は、古い町並みの中で、アーティストが創作し、料理人が新しい料理を生み出す、最先端の町でもあるのです。
取材/高野裕輔
文/宮川俊二
東岩瀬町までのアクセス 北陸自動車道 富山西ICから約30分
国登録有形文化財 旧馬場家住宅
住所 富山県富山市東岩瀬町107-2
桝田酒造店 沙石
住所 富山県富山市東岩瀬町93
URL https://www.masuizumi.co.jp/
酒商 田尻本店
住所 富山県富山市東岩瀬町102
URL http://www.tajirisaketen.co.jp/
野村商店
住所 富山県富山市岩瀬大町90-1
御料理 ふじ居
住所 富山県富山市東岩瀬町93
URL https://www.oryouri-fujii.jp/
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