周囲を山に囲まれ、町の中心部を清らかな肱川が流れる大洲市。
ここには、その地形と気候風土がもたらした,沢山の「宝」があります。
10月から3月にかけ、晴れた朝、小高い丘に上がると、盆地を包む雲海を眺めることができます。
江戸時代から明治にかけての家並みや景観が数多く残ることから,「伊予の小京都」とも言われる大洲市。
この町のシンボルは大洲城です。鎌倉時代末期から戦国時代を経て、各大名の手で、近世城郭が整えられました。現在の天守閣は、平成16年(2004)に復元され、四季の移ろいの中で様々な表情を見せています。
大洲城は、日本で初めて、宿泊ができる城として話題になりました。
「大洲城キャッスルステイ」というプログラム。毎年、何組ものゲストが参加しています。
城下を望む天守閣で、お殿様気分にひたる「城泊」。それは、究極の旅体験と言えるでしょう。
今も100年以上前に作られた杉桶を使い、一般には半年の醸造で醤油ができますが、ここでは1年半という長期醸造が行われ、深く円やかな味を生み出しています。
その素となるのが、蔵に住んでいる生きた酵母です。
13代当主の梶田泰嗣さんは、代々、梶田家に伝えられてきたもの、それは「舌」だとおっしゃいます。
自然の中で進行する醸造。それを確かめる人間の「舌」。
ここでしか醸せない、梶田さんでしか捉えられない味。
これこそ、誇るべき「日本の宝」です。
アクセス: 松山空港から車で50分程度。
松山自動車道 大洲ICから市内へ
株式会社 梶田商店
住所: 〒795-0054 愛媛県大洲市中村559番地
URL: https://www.kazita.jp
文/ 宮川俊二
撮影/ 河野達郎
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