長崎市の外海(そとめ)地区は、かつて潜伏キリシタンたちが静かに信仰を守り続けた祈りの地。出津教会や大野教会、ド・ロ神父の遺した建物群は、その信仰の足跡を今に伝えています。
遠藤周作の小説『沈黙』の舞台とも重なるこの土地は、深い歴史と魂の記憶が刻まれた場所。角力灘に沈む大きな夕陽が、碧く深い海を照らしながら静かに沈む光景は、まるで祈りそのもののようです。信仰とは何か、人は何を信じて生きるのか——そんな問いが、この風景の中からそっと心に語りかけてきます。
自然と歴史、そして祈りが交差する外海は、訪れる者に深い余韻と静かな感動を残す、まさに“祈りの原風景”と呼ぶにふさわしい場所です。
アクセス 道の駅 夕陽が丘そとめ JR長崎駅より車でおよそ45分。
撮影日時 2025年7月下旬 午後6時~7時30分
気温 31℃
文章/坂本憲司
写真/坂本憲司
Related Posts
2024-11-23
雲海に包まれる湖、屈斜路湖の絶景
屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖で、その雄大な自然が魅力です。津別峠展望台からは、初夏から秋にかけて発生する雲海が湖と山々を包み込み、ダイナミックで幻想的な景観を
2025-08-25
翼ひろげ、静かに舞う「鶴の舞橋」
青森県産の「ひば」をふんだんに用いた全長300メートルの木造橋「鶴の舞橋」は、日本一の長さを誇る三連太鼓橋です。橋が架かるのは、岩木山の雄姿を湖面に映す「津軽富
2024-11-09
歴史と自然が紡ぐ迫門の曙
虫明は、岡山県瀬戸内市に位置する美しい海岸地域で、「迫門の曙」として古くから日の出の名所として親しまれています。特に、柔らかく広がる淡い赤や橙色の朝焼けが印象的




